休息
撮影場所は,県立体育館前電停と終点の上熊本の間です。上熊本は,熊本市電3号線の北の終点となっています。
2輌編成の5000形電車は,西日本鉄道福岡市内線が1979年2月に廃止されることになったとき,福岡市からやってきた車両です。手前の5011ABは廃止に先立ち1976年11月に熊本へやってきた車両で,西鉄時代は1011AB。奧の5015ABは,福岡市内線廃止後の1979年4月にやってきた車両で,西鉄時代は1015AB。西鉄時代の車両番号を微妙に残しているところが心憎い配慮です。
福岡の電車が熊本へやって来るというのは,当時けっこう大きなニュースで,2輌編成の電車が熊本市を走るというのは,とてもエキサイティングでした。何しろ熊本で2輌編成以上の長い電車を見たければ,国鉄しかありませんでしたし,多くの熊本市民は熊本市を出るとき以外に国鉄を利用する機会などありませんでしたから,2両編成の電車を普段から見られるなんて,考えただけでも心が躍ったのでした。
最近では2両編成の超低床LRT車輌9700形が5編成も投入され,5000形は朝の通勤時間帯専門,それ以外の時間帯はこうして車庫で休んでいます。既に9700形増備に伴って5010ABが廃止されており今後の新車の導入如何で将来が心配ですが,少しでも長く走っていて欲しいと願います。